宗派による告別式の違い|浄土真宗・曹洞宗・浄土宗・真言宗

宗派による告別式の違いを紹介する記事のアイキャッチ。畳の上の数珠と袱紗

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告別式の案内に「曹洞宗」「浄土真宗」と書かれていて、『宗派で何か作法が変わるの?』と不安になっている方もいるはずです。知らずに失礼をしたくない、と思いますよね。

結論から言うと、参列者が告別式の宗派で気をつけたいのは「焼香の回数」「香典の表書き」「清め塩」の3点だけです。この3点を押さえておけば、宗派が違っても落ち着いて参列できます。

この記事では、3点を宗派ごとに並べた早見表と、遺族がお寺やお坊さんとやり取りする時の目安を紹介しますね。

目次

宗派で告別式はどこが違う?参列者が気にするのは3点

先に結論

告別式の大きな流れは、どの宗派でも「開式、読経、焼香、閉式、出棺」とほぼ同じです。違いが出やすいのは、焼香の回数、香典の表書き、清め塩の扱いの3点です。

告別式は、故人と縁のあった人が最後のお別れをする儀式です。全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、本来は宗教的な儀礼である葬儀と、社会的な儀礼である告別式は別のものだが、今日では区別せず一連の流れで行うのが一般的になったと説明しています。

つまり、お坊さんの読経など宗教の部分は宗派によって違いますが、参列者がするお別れの部分は大きく変わりません。告別式そのものの意味は告別式とはで紹介しています。

宗派ごとの「告別式」の受け止め方

宗派の公式サイトでは、告別式や葬儀について、それぞれの言葉で説明しています。教えの中身は宗派ごとに違いますが、参列者として知っておくと、式の雰囲気をつかみやすくなります。

宗派公式サイトの説明(要旨)
天台宗告別式は言葉どおりお別れの儀式で、故人の生前中、縁のあった人々とのお別れ
浄土宗葬儀式は僧侶が引導を授け、極楽への往生を願う法要。告別式は生前親交のあった方々とのお別れの式典
浄土真宗本願寺派葬儀は別れを告げる場ではなく、お浄土での再会を誓う場と受け止める
曹洞宗葬儀はお釈迦さまの弟子となり、仏さまになるための仏道入門の儀式

浄土真宗本願寺派は、教えの立場から「別れを告げる」という言葉にも慎重であるべき、と説明しています。こうした考え方の違いが、あとで紹介する作法の違いにもつながっているんです。

告別式で参列者が気にしたい焼香の回数・香典の表書き・清め塩の3点を、宗派ごとに見分ける図解

宗派はどうやって確かめる?

『そもそも、どの宗派か分からない』ということもありますよね。案内状や訃報の連絡に書かれていなければ、喪家に近い人や、受付の係の人にそっと聞いてみてください。

「失礼ですが、ご宗派はどちらでしょうか」

こう聞くのは失礼にはあたりません。分からないままでも、あとで紹介するように「迷ったら1回」「迷ったら御霊前、ただし浄土真宗は御仏前」と覚えておけば十分です。

宗派別の早見表:焼香の回数・表書き・清め塩

ここがこの記事の中心です。参列者が気にする3点を、宗派ごとに一つの表にまとめました。

先に結論

焼香の回数は宗派で1回から3回ほどまで違いますが、参列者が多い時は1回でよいとする宗派もあります。表書きと清め塩は、浄土真宗だけ扱いがはっきり違うと覚えておきましょう。

宗派焼香の回数(参列者)香典の表書き清め塩
浄土真宗本願寺派1回・いただかない「御仏前」(御霊前は使わない)浄土真宗では清めはないとされる(全互協)
真宗大谷派2回・いただかない「御香儀」「御香資」「御香典」「御香料」使わない
浄土宗1回から3回ほど(大勢なら1回)一般的な仏式の形家や地域の考え方による
曹洞宗2回(寺院の説明)、大勢なら1回でよいとも一般的な仏式の形家や地域の考え方による
真言宗3回(寺院の説明)、一回と言われたら従う一般的な仏式の形家や地域の考え方による
臨済宗決まりなし(葬儀では1回が多い)一般的な仏式の形家や地域の考え方による
日蓮宗一般参列者は1回一般的な仏式の形家や地域の考え方による

表の「一般的な仏式の形」は、全互協が説明している「御霊前」や、「御香典」などのことです。全互協は、通夜から三十五日の法要までなら「御霊前」とするとしています。

曹洞宗と真言宗の回数は、宗派全体の公式サイトでは見当たらず、個別のお寺の説明をもとにしています。天台宗は、公式サイトで回数の記載を見つけられませんでした。

焼香は「迷ったら1回」で大丈夫

浄土宗は、お葬儀などで大勢がお焼香する時は心を込めて1回、と説明しています。日蓮宗も、大勢の場合は1回にするのが常識だとしています。

告別式は参列者が多いので、係の人から「お焼香はおひとり1回で」と案内されることもあります。案内があれば、それに合わせれば大丈夫です。焼香の手順そのものは告別式の焼香のやり方で紹介しています。

表書きは浄土真宗だけ気をつける

全互協は「御霊前」は宗教や宗派を問わず使えると説明しています。一方で、浄土真宗本願寺派は、故人の霊に捧げるのではなく仏さまに捧げるので、書くなら「御仏前」だとしています。

全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)も、浄土真宗では葬儀の時点から「御仏前」を使い、「御霊前」は使わないとしています。宗派が分からない時の選び方は告別式の香典は御霊前?御仏前?で紹介しています。

清め塩は浄土真宗では使わない

全互協は、浄土真宗では「清め」はないと説明しています。真宗大谷派も、真宗では清め塩を使用しないので必要ない、としています。

ほかの宗派では、会葬礼状に添えられた清め塩を使うかどうかは、家や地域の考え方によります。使い方は告別式から帰ったら清め塩で紹介しています。

宗派が分からないまま参列する時の備え

急な訃報で、宗派を確かめる時間がないこともありますよね。そんな時は、次の3つだけ準備しておけば、当日あわてずにすみます。

宗派が分からない時の備え
  • 香典袋は「御香典」と書かれたものを選ぶ(浄土真宗でも使われる表書き)
  • 焼香は1回と決めておき、前の人や係の案内に合わせる
  • お悔やみは「心よりお悔やみ申し上げます」にして、「冥福」「霊前」は控える

「御香典」は、全互協が葬儀・法要ともに使えるとしている表書きで、本願寺派も使われる表書きの例に挙げています。どの宗派か分からない時の、心強い選び方です。

会場で同僚とこんな話になることもあります。

「ご宗派、聞きそびれちゃったね」
「焼香は1回にして、前の人に合わせれば大丈夫だよ」

宗派で考え方が分かれる時は

同じ仏教でも、宗派によって大切にしている考え方は違います。この記事では、どちらが正しいかではなく、参列する時にどう合わせればいいかだけを紹介しています。

浄土真宗(本願寺派・大谷派)の告別式で気をつけたいこと

浄土真宗は、参列者の作法がほかの宗派とはっきり違うところがいくつかあります。お東・お西と呼ばれる2つの派でも少しずつ違うので、ここでまとめて見ておきましょう。

ここでの結論

浄土真宗の告別式では、香は額にいただかず、表書きは「御仏前」などにします。清め塩は使わず、弔電やお悔やみでも「冥福」「霊前」という言葉は使わないとされています。

焼香のしかた

本願寺派は、右手で香を一回だけつまみ、いただかずにそのまま香炉に入れるとしています。大谷派は、香を2回入れ、額に押しいただくことはしなくて結構です、と説明しています。

大谷派では、合掌は焼香の前ではなく焼香のあとにします。とはいえ参列者が細かくまねできなくても、静かに合掌すれば十分ですよ。

数珠の扱い

本願寺派は、念珠(数珠)は房を下にたらして左手で持ち、合掌の時は両手にかけて親指で軽くおさえる、としています。珠をこすり合わせて音を出したりはしません。

全互協は、市販されている数珠の多くはどの宗派にも通用すると説明しています。手持ちの数珠を持っていけば大丈夫です。

浄土真宗で使わない言葉

NTT東日本は、仏式でも浄土真宗では「冥福」「霊前」などの言葉は使わないとしています。お悔やみを伝える時は、「心よりお悔やみ申し上げます」のような言葉が使いやすいです。

浄土真宗の告別式で気をつけること
  • 焼香で香を額にいただかない
  • 香典の表書きは「御仏前」などにする
  • 「ご冥福をお祈りします」「ご霊前」は控える
  • 清め塩は使わない考え方であることを知っておく

式の進み方の違い

全葬連は、浄土真宗系では、ご本尊に最後のお別れをする出棺勤行と、葬場で行う葬場勤行を一度にまとめて行うのが一般的だと説明しています。また全互協は、浄土真宗では棺のふたを閉じる釘打ちの儀式をしないとしています。

参列者が戸惑うほどの違いではありませんが、「釘打ちがなかった」と驚かずにすみますね。

曹洞宗・浄土宗・真言宗など、ほかの宗派の告別式

ここからは、案内でよく見かけるほかの宗派について、参列者が知っておくと安心なことを紹介します。どの宗派でも、迷ったら係の人の案内に合わせれば大丈夫です。

ここでの結論

曹洞宗・浄土宗・真言宗・臨済宗・日蓮宗の告別式では、焼香の回数と、香を額にいただくかどうかが主な違いです。表書きは一般的な仏式の形で問題ありません。

曹洞宗の告別式

曹洞宗は、葬儀を「お釈迦さまの弟子となり、仏さまになるための仏道入門の儀式」と説明しています。故人にとっては旅立ちの儀式、遺族にとっては別れを大切にする時間だそうです。

焼香は、曹洞宗のお寺の説明では2回で、1回目を「主香」、2回目を「従香」と呼びます。1回目だけ額に押しいただき、参列者が多い時は1回でよい、ともしています。

浄土宗の告別式

浄土宗は、焼香の回数は厳密には決まっておらず、1回から3回ほど行う、と説明しています。1回なら一心に、3回なら仏・法・僧の三宝を供養する意味がある、とされています。

香をつまんだ右手を仰向け、左手を添えて眉間の高さほどまでいただいてから香炉にくべるのが、浄土宗の説明する作法です。

真言宗の告別式

真言宗は、宗派全体の公式サイトでは焼香の回数を見つけられませんでした。真言宗のお寺の説明では、焼香は原則3回で、通夜や葬儀で「一回」と言われたらそれに従う、とされています。

香を額にいただくのが1回目だけか3回ともかは、お寺によって説明が違います。前の人の動きや、係の案内に合わせれば十分です。

臨済宗・日蓮宗・天台宗の告別式

臨済宗・黄檗宗の公式サイトでは、焼香は本数や回数に強くこだわる必要はないとしつつ、葬儀では1回のみのことが多い、と説明しています。日蓮宗は、導師は3回、一般参列者は1回としています。

天台宗は、公式サイトで焼香の回数の記載を見つけられませんでした。迷ったら1回、と考えておけば大丈夫です。

斎場の焼香台の横の机に、数珠と紫の袱紗が置かれている写真

告別式のお坊さん:どこまで同席する?お寺とのやり取り

ここからは、喪主・遺族の方に向けたお話です。『お寺に何をどう頼めばいいのか分からない』という方も多いですよね。

ここでの結論

菩提寺(代々お世話になっているお寺)がある時は、まずお寺に連絡して日程を相談します。お坊さんは告別式の読経から火葬場、還骨の法要まで付き添うことがあり、会食に同席しない時は御膳料や御車代を包むこともあります。

まずお寺に一報を

曹洞宗の冊子では、もしもの時は「まず、菩提寺に一報を」「住職と葬儀の日程や進め方について打ち合わせを」と案内しています。真宗大谷派も、まずお寺の住職に連絡し、枕勤めをお願いする流れを紹介しています。

お寺の都合は、告別式の日程を決める大事な条件の一つです。全互協も、日取りは僧侶の都合や火葬場の都合などを考えて決めるとしています。

お坊さんが同席する場面

告別式の一日の中で、お坊さんがどこに関わるかを流れで並べました。

告別式の日のお坊さんの動き(一例)
  1. 告別式の開式にあわせて入場し、読経をする
  2. 読経が続くなかで、遺族や参列者が焼香する
  3. 閉式後、出棺して火葬場へ向かう(全互協は、霊柩車のあとに僧侶と喪主のハイヤーが続く形を紹介)
  4. 火葬場の納めの式で読経し、喪主から順に焼香する
  5. 戻ってから還骨の法要や、繰り上げの初七日法要を営む
  6. 精進落としの席に同席するか、辞退する

全葬連は、精進落としに僧侶が同席する場合は最上座に案内し、同席しない場合は「御膳料」と「御車代」を包んで渡す、と説明しています。どこまで同席してもらうかは、お寺や葬儀社と相談して決めれば大丈夫です。

告別式の日にお坊さんが読経・焼香・火葬場・還骨の法要・精進落としの順に関わる流れを示した図解

お布施の表書き

お布施の表書きは「御布施」が一般的です。本願寺派は「御礼」「御経料」はふさわしくないとし、天台宗は「御布施」のほか「御礼」「読経御礼」も例に挙げています。

金額について、真宗大谷派の真宗会館は「お布施の金額に決まりはありません」と説明しています。全葬連も、率直に住職に尋ねても失礼にはあたらないとしています。お布施の渡し方は告別式のお布施で紹介しています。

菩提寺がない時は

菩提寺がない時や、遠くて頼めない時は、まず葬儀社に相談してみてください。宗教者へのお礼はプランとは別にかかることが多いので、見積りの段階で確かめておくと安心です。

『家の宗派も分からない』という場合は、親戚の年長の方や、お墓のあるお寺に聞くと分かることがあります。

夜中や休日でも電話で相談できる葬儀社を知っておくと、お寺との調整も含めて一つずつ進められます。

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知恵袋でよくある相談:告別式と宗派・お坊さん

Yahoo!知恵袋にも、告別式の宗派やお坊さんについての相談が多く寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選び、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:葬儀と告別式、お坊さんがいるのはどっち?

葬儀はお坊さんがお経を唱えたりお焼香をするもの、告別式は棺に花を入れたりするもの、という認識で合っているのか、という相談です。

おおむねその理解で大丈夫です。全葬連は、葬儀は故人の宗教に基づいて僧侶などが読経を行う儀式、告別式は宗教的な儀式ではなく、参列者が故人との別れを惜しむ場だと説明しています。

ただ、今は葬儀と告別式を続けて行うのが一般的です。告別式の間も読経が続き、そのなかで参列者が焼香する形が多いので、お坊さんは両方にいると考えておけば戸惑いません。葬儀との違いは告別式と葬儀の違いで紹介しています。

相談2:お坊さんは告別式のどの段階まで同席する?

告別式のあと、お坊さんは出棺や収骨、そのあとの会食まで一緒にいるのか知りたい、という遺族側の相談です。

上で紹介したように、火葬場まで同行して読経し、還骨の法要まで付き添うことがあります。精進落としは、同席する場合と辞退する場合の両方があります。

辞退された時は、全葬連の説明どおり「御膳料」と「御車代」を包んで渡せば大丈夫です。どこまでお願いするかは、事前にお寺と相談しておくと安心ですよ。

相談3:お坊さんにお布施を渡すのは、告別式の前?

お坊さんにお布施を渡すタイミングは、「本日はよろしくお願いします」と挨拶した時、つまり告別式が始まる前なのか、という相談です。

お布施を式の前と後のどちらで渡すかを明記した、宗派や業界団体の公式の説明は見当たりませんでした。全互協は、臨終から告別式までを一区切りとして、いったんお礼をすると説明しています。

渡すタイミングは、お寺や地域で違うこともあります。迷ったら葬儀社の担当者に「いつお渡しするのがよいでしょうか」と聞いてみてください。

よくある質問

告別式の焼香は、宗派が分からない時は何回すればいいですか?

心を込めて1回で失礼にはなりません。浄土宗や日蓮宗も、大勢がお焼香する時は1回と説明しています。

浄土真宗の告別式に「御霊前」の香典袋を持っていってもいいですか?

浄土真宗本願寺派は、書くなら「御仏前」としています。宗派が浄土真宗と分かっている時は、「御仏前」などを選ぶと安心です。

曹洞宗の告別式で気をつけることはありますか?

焼香は、曹洞宗のお寺の説明では2回で1回目だけ額にいただきます。参列者が多い時は1回でよいともされています。

告別式で清め塩をもらいましたが、使わない宗派もありますか?

浄土真宗では清め塩を使わないとされています。ほかの宗派では、使うかどうかは家や地域の考え方によります。

お寺で告別式をする時の作法は違いますか?

お寺の本堂など畳の部屋では、座ったまま焼香する座礼焼香になることがあります。動き方は立礼とほぼ同じです。

まとめ

この記事の要点
  • 宗派で告別式の大きな流れは変わらない。違いは焼香の回数・表書き・清め塩の3点
  • 焼香は宗派で1回から3回ほど。迷ったら心を込めて1回で大丈夫
  • 浄土真宗は香をいただかず、表書きは「御仏前」、清め塩は使わない
  • 曹洞宗・浄土宗・真言宗などは、回数と香のいただき方が主な違い
  • 遺族は、まず菩提寺に連絡して日程とお坊さんの同席の範囲を相談する
告別式ガイド

告別式ガイド 編集部

告別式の意味と流れ、時間と日程、服装・香典・焼香・挨拶などの参列マナー、喪主・遺族の準備と葬儀社の選び方までを、急な知らせでも落ち着いて動けるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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