神式の告別式(葬場祭)|流れと玉串奉奠、参列のマナー

神式の告別式(葬場祭)の流れとマナーを紹介する記事のアイキャッチ。台に置かれた榊の玉串

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案内に「神式」「葬場祭」と書かれていて、『お焼香はないの?何をすればいいの?』と戸惑っている方もいるはずです。仏式の告別式に慣れていると、初めての神式は緊張しますよね。

結論から言うと、神式の告別式は焼香の代わりに「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」をすることと、仏教の言葉を使わないことの2つを押さえれば大丈夫です。大きな流れや服装は、仏式とほとんど変わりません。

この記事では、仏式と神式で言い方が変わる言葉を表で見比べてから、玉串奉奠の手順とマナーを順番に紹介しますね。

目次

神式の告別式(葬場祭)とは?告別式との違い

先に結論

神式の告別式は「葬場祭(そうじょうさい)」と呼ばれ、故人に最後の別れをするおまつりです。仏式でいう葬儀・告別式にあたります。

神社本庁は、神道のお葬式を「神葬祭(しんそうさい)」と呼び、一連のおまつりを21の段階で紹介しています。そのうちの一つが「葬場祭(告別式)」で、故人に最後の別れをするおまつり、と説明されています。

葬儀辞典では、葬場祭は斎主(式をつかさどる神職)が祭詞を奏上し、故人の業績や人柄を語って、故人の安らかな眠りと遺族の守護を祈る儀式だと説明されています。

葬場祭と告別式の違いは?

『葬場祭と告別式は別のもの?』と迷う方もいますよね。神社本庁が「葬場祭(告別式)」と書いているとおり、神式で告別式にあたるのが葬場祭です。

仏式では、宗教的な儀式である「葬儀」と、お別れの「告別式」を分けて説明することがあります。今はどちらも続けて行うのが一般的なので、神式の葬場祭も、葬儀と告別式をまとめたものと考えると分かりやすいです。仏式での違いは告別式と葬儀の違いで紹介しています。

告別式の前後のおまつり

神葬祭のうち、告別式の前後に関わるおまつりを抜き出しました。

おまつり神社本庁などの説明仏式でいうと
通夜祭夜を徹して故人の御霊を慰めるおまつり通夜
遷霊祭故人の御霊を霊璽(れいじ)という白木の「みしるし」に遷すおまつり同じ名前の儀式はない
発柩祭柩を霊輿に移して、葬場に向かう際のおまつり(出棺式)出棺
葬場祭故人に最後の別れをするおまつり葬儀・告別式
火葬祭火葬の時のおまつり火葬場の納めの式
帰家祭葬儀が滞りなく終わったことを霊前に奉告するおまつり繰り上げ法要にあたるものと全互協は紹介

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、神道の葬送も死亡から火葬までの大きな流れは仏式とほとんど変わらない、と説明しています。名前は違っても、やっていることの順番は似ているんです。

仏式と同じでいいこと
  • 喪服での参列と、受付での記帳
  • 香典を袱紗に包んで持っていくこと
  • 出棺を見送るまでのふるまい
仏式と変えること
  • 焼香ではなく玉串奉奠をする
  • 香典袋の表書きと柄を変える
  • 仏教の言葉を使わない

『全部が違ったらどうしよう』と身構えなくても大丈夫です。変えるのはこの3つだけ、と覚えておけば落ち着いて参列できます。

神式の告別式の流れを、手水の儀・着席・祭詞奏上・玉串奉奠・出棺・火葬祭の順で示した図解

仏式と神式で言い方が変わる言葉の言い換え表

神式の告別式で、いちばん気をつけたいのが言葉です。仏式ではふつうに使う言葉の中に、仏教の言葉が意外と多く含まれています。

先に結論

「冥福」「成仏」「供養」「往生」などは仏教の言葉なので、神式では使いません。香典は「御玉串料」、焼香は「玉串奉奠」と、言い方が変わるものもあります。

場面仏式での言い方神式での言い方
式の名前葬儀・告別式葬場祭
通夜通夜通夜祭
祭壇に手向けること焼香玉串奉奠
香典の表書き御霊前・御香典御玉串料・御榊料・御神前
祈りの言葉ご冥福をお祈りします御霊の安らかならんことをお祈りいたします
故人が亡くなったこと成仏・往生帰天・永別・他界
式を進める人僧侶(導師)神職(斎主)
葬儀後の会食精進落とし直会(なおらい)
葬儀後の大きな区切り四十九日五十日祭

全互協は、「冥福」「供養」「成仏」「追善」などは仏教用語なので神道やキリスト教では使わず、神道では「帰天」「永別」「他界」などを使う、と説明しています。祈りの言葉は、全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)が弔辞での神道の言い方として紹介しているものです。

直会は、神社本庁の説明では、おまつりのあとに神前に供えた御饌御酒(みけみき)を参列者でいただくことです。全葬連も、神式では仏式の精進落としにあたるものとして直会を挙げています。

「ご愁傷様」は使える?

ここは、出典で考え方が分かれています。NTT東日本は神道やキリスト教には不適切な言葉に「ご愁傷様」を含めていますが、全葬連は一般的な言葉として紹介しています。

迷う時は、「このたびは心よりお悔やみ申し上げます」とすれば、どちらの考え方でも差し支えありません。宗教ごとのお悔やみの言葉は告別式で遺族にかける言葉で紹介しています。

神式の告別式で使える言葉の例
  • 受付で:「このたびは心よりお悔やみ申し上げます」
  • 遺族に:「突然のことで、言葉もありません。どうぞお力を落とされませんように」
  • 弔電の結び:「御霊の安らかならんことを心よりお祈りいたします」
  • 帰り際に:「どうぞご無理をなさいませんように」

弔電を送る時も、同じように仏教の言葉を避けて文面を選びます。弔電の組み立て方は告別式の弔電で紹介しています。

神式の告別式で控えたい言葉
  • 「ご冥福をお祈りします」
  • 「成仏してください」「往生」
  • 「供養」「追善」
  • 「ご愁傷様」(出典で考え方が分かれるので迷ったら避ける)

神式の告別式の流れ:参列者が戸惑いやすい場面

神式の告別式に初めて参列すると、仏式にはない場面で一瞬戸惑うことがあります。流れの中で、参列者が気をつけたい場面を見ておきましょう。

ここでの結論

会場に着いたら、手水の儀で手と口を清めることがあります。式の中では祭詞の奏上のあとに玉串奉奠があり、出棺のあとは火葬祭が行われます。

会場に入る前の「手水の儀」

全互協は、神道ではすべての儀式の前に清水で身を清めると説明しています。最近では省略されることも多いそうですが、会場の入口に用意されていたら、次の順で行います。

手水の儀の手順
  1. ひしゃくの水を三度に分けて、まず左手を洗う
  2. 同じように右手を洗う
  3. 左手に水を受けて、口をすすぐ
  4. 半紙で手を拭く

前の人がやっているのを見て、同じようにまねすれば大丈夫です。

式の中で参列者がすること

全互協は、神式やキリスト教式の会場に着いたら、落ち着いて係の人の指示に従ってくださいと案内しています。神式の告別式で参列者がすることは、主に次の3つです。

場面参列者がすること
祭詞の奏上斎主が祭詞を奏上する間、静かに聞く
玉串奉奠係の案内で順番に進み、玉串を供えて拝礼する
出棺発柩祭(出棺)の時は、故人を見送る

祭詞の言葉は聞き慣れない響きですが、内容を理解しようとしなくて大丈夫です。故人を思いながら、静かに頭を下げていれば十分ですよ。

出棺のあとと、直会

全葬連は、神式の出棺を「出棺祭」、火葬の時を「炉前祭、骨上げ」と説明しています。一般の参列者は、出棺を見送ったあとは係の人の案内に従えば大丈夫です。

葬儀のあとの会食は、神式では直会と呼ばれます。神社本庁の説明では、直会はおまつりの一部で、今日は簡略化して御酒をいただくことが一般的だそうです。

神式の告別式のあとの区切り

神社本庁は、葬場祭の翌日から霊を慰める霊前祭を行い、一年祭までを「神葬祭」、それ以降を「祖霊祭」と分けています。全葬連は、神式の埋葬は火葬後その日のうちが正式だが、最近は五十日祭のあとに埋葬することもある、としています。

玉串奉奠のやり方:7つの動きとしのび手

神式の告別式で、参列者がいちばん気にするのが玉串奉奠ですよね。玉串は、神社本庁の説明では、みずみずしい榊の枝に紙垂(しで)などを取り付けたものです。

ここでの結論

玉串は、根もとが祭壇(御霊前)に向くように回して、台の上に置きます。そのあと二礼二拍手一礼をしますが、拍手は音を立てない「しのび手」にします。

全互協が紹介している神式の葬場祭での玉串奉奠を、動きごとに並べました。

玉串奉奠の手順
  1. 神職に一礼し、右手で枝の根もとを、左手で葉のほうを持って受け取る
  2. 祭壇の手前に進み、玉串を胸の高さに持って一礼する
  3. 3歩前に進み、玉串の根もとを自分のほうへ向ける
  4. 根もとを左手に持ち替える
  5. 右手で葉先のほうを持ち、玉串を半回転させる
  6. 根もとを祭壇に向けたまま、玉串案(台)の上に置く
  7. 3歩下がって二拝二拍手一拝する。拍手は音を立てないしのび手で
玉串奉奠を、受け取る・胸の高さで一礼・根もとを手前に・持ち替える・半回転・台に置く・二拝二拍手一拝の順で示した図解

東京都神社庁も、神葬祭では玉串は根本が御霊前の方を向くように置き、二礼二拍手一礼の拍手は「忍び手」といって音を出さないようにする、と説明しています。全互協によると、霊祭の拝礼は一年祭まではしのび手だそうです。

玉串の持ち方のコツ

神社本庁は、神社でのお参りの玉串拝礼について、玉串の持ち方をくわしく紹介しています。左手で榊の上部を下から支え、右手で根もとのほうを上から持ち、やや左を高くして少し肘を張る持ち方です。

告別式の葬場祭でも、受け取った時にこの持ち方を意識すると、手元が安定して落ち着いて進めます。玉串はみずみずしい榊の枝なので、葉が床に触れないよう、胸の高さで持つのがポイントです。

白い布をかけた台の上に、根もとを祭壇側に向けた榊の玉串が並べて供えられている写真

戸惑いやすいところ

『くるっと回す向きが分からない』と焦る方も多いですよね。覚え方は一つだけで、「最後に根もとが祭壇のほうを向いていればいい」です。

例えば、隣の人とこんなやり取りをしておくと、落ち着いて進めます。

「玉串って、最後はどっちを向けるんだっけ」
「根もとを祭壇のほうに向けて置けば大丈夫。拍手は音を立てずにね」

よくある失敗
  • 神社のお参りの癖で、拍手で音を鳴らしてしまう
  • 玉串の葉先を祭壇に向けたまま置いてしまう
  • 仏式の癖で、数珠を手にかけたまま拝礼してしまう
  • 前の人を待たずに台の前に進んでしまう

全葬連は、数珠は仏式で持参するものとして説明しています。神式の告別式では手に持たず、バッグにしまっておくと安心です。仏式の焼香の手順は告別式の焼香のやり方、キリスト教式の献花はキリスト教の告別式で紹介しています。

神式の告別式のマナー:服装・香典・言葉・清め

最後に、神式の告別式に参列する時のマナーを、項目ごとにまとめます。基本は仏式と同じで、違うのは香典袋と言葉くらいです。

ここでの結論

服装は仏式の告別式と同じ考え方で大丈夫です。香典袋は蓮の花の模様がないものを選び、表書きは「御玉串料」「御榊料」などにします。

服装

全互協は、神道やキリスト教の葬送でも、服装は仏式のときと同じように考えてさしつかえないと説明しています。告別式にあたる葬場祭には、喪服で参列すれば大丈夫です。

神社本庁は、友人や知人の通夜に弔問する時は、地味な平服で差し支えないとしています。告別式に参列できず通夜祭だけ弔問する場合は、喪服を着用することもあるそうです。

つまり、神式でも告別式にあたる葬場祭は、喪服で参列するのが落ち着く場です。『神式だから特別な服がいるの?』と心配しなくても、仏式の告別式に着ていく喪服や、黒のスーツ・ワンピースで大丈夫ですよ。

アクセサリーや靴、バッグの考え方も仏式と同じです。服装全体の選び方は告別式の服装で紹介しています。

香典の表書きと袋

全互協は、神道でも喪家にお金を贈るが、香典とはいわず、表書きは「御玉串料」「御榊料(おさかきりょう)」などとすると説明しています。水引は銀または白のものを結び切りにします。

項目神式の告別式での形
表書き「御玉串料」「御榊料」「御神前」など
水引銀または白の結び切り
袋の柄蓮の花の模様がないもの(蓮は仏式用)
渡し方受付で、仏式と同じように袱紗から出して渡す

全互協は、蓮の花が印刷してあるものは仏式のみ、と書いています。コンビニなどで買う時は、無地の袋を選んでおくと安心です。表書きの選び方全体は告別式の香典は御霊前?御仏前?で紹介しています。

受付での渡し方

受付での流れは、仏式の告別式と変わりません。袱紗から香典袋を出し、表書きが相手から読める向きにして両手で差し出します。

「このたびは心よりお悔やみ申し上げます。どうぞお供えください」

ここで「ご冥福を」と言いそうになったら、「お悔やみ申し上げます」に言い換えれば大丈夫です。

お供え物

全互協は、神式の供物として野菜、鮮魚、果物、清酒などを挙げ、菓子やろうそくでもよいとしています。野菜や鮮魚は、喪家の都合を確かめてから贈るよう書いています。

清めの考え方

仏式の告別式から帰ると清め塩を使うことがありますが、神式では少し事情が違います。全互協は、神式では家に入る前に神職が祓除(ばっじょ)の儀を行うと説明しています。

神社本庁は、葬儀の際などに塩が用いられるのは、非日常と日常とをわけるお清めの行為を象徴的に行ったもの、と説明しています。会葬礼状に清め塩が添えられていたら、使うかどうかは自分の家の考え方で決めて大丈夫です。

自分や家族のもしもの時のために

神式の作法を調べながら、『うちは何式なんだろう』と気になった方もいるかもしれません。夜中や休日でも電話で相談できる葬儀社を知っておくと、神社や宗教のことも含めて、いざという時に慌てずにすみます。

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知恵袋でよくある相談:神式の告別式

Yahoo!知恵袋にも、神式の告別式についての相談が寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選び、要点をまとめてお答えしますね。

相談1:お通夜や告別式でもらった塩、家に入る前に使う?

通夜や告別式の香典返しに入っている塩は、自宅に入る前に使うものなのか、どう使えばよいのか、という相談です。

清め塩は、家に入る前に身を清める風習として全互協が紹介しているものです。肩や腕、足元などにかけてから家に入る、という手順が説明されています。

ただ、浄土真宗では清めはないとされ、神式では神職が祓除の儀を行うと全互協は説明しています。使うかどうかは、家や宗教の考え方で決めれば大丈夫です。使い方は告別式から帰ったら清め塩で紹介しています。

相談2:葬場祭で聞いた祭詞・祓詞の意味を知りたい

神式の告別式に参列し、神職が読み上げていた言葉の内容が気になった、という相談です。

葬儀辞典では、葬場祭では斎主が祭詞を奏上し、故人の業績や人柄を語り、故人の安らかな眠りと遺族の守護を祈願すると説明されています。つまり、故人の歩みをたたえ、残された家族を見守ってほしいと祈る言葉です。

一つひとつの言葉の意味まで知りたい時は、式を担当した神社の神職に尋ねてみてください。

相談3:斎主に渡す玉串料は、誰が何を基準に決める?

神葬祭で斎主(神職)にお渡しする玉串料は、何を基準に、誰が決めるものなのか、という遺族側の相談です。

神職へのお礼の表書きや金額について、神社本庁の公式な説明は見つけられませんでした。献辞辞典では、「玉串料」は通夜祭や葬場祭の際に神社や神官へ贈る謝礼の表書きとされています。

金額や渡し方は、地域や神社とのお付き合いによって違います。神社に直接尋ねるか、葬儀社の担当者に相談するのが確実です。

よくある質問

神式の告別式では焼香をしますか?

神式では焼香の代わりに玉串奉奠をします。玉串の根もとを祭壇に向けて台に置き、音を立てないしのび手で二拝二拍手一拝します。

葬場祭と告別式の違いは何ですか?

葬場祭は神式で告別式にあたるおまつりです。神社本庁は「葬場祭(告別式)」と書き、故人に最後の別れをするおまつりと説明しています。

神式の告別式の香典袋は何と書けばいいですか?

「御玉串料」「御榊料」などが使われます。水引は銀または白の結び切りで、蓮の花の模様がない袋を選びましょう。

神式の告別式で数珠は持っていきますか?

数珠は仏式で使うものとして説明されています。神式では手に持たずにしまっておくと安心です。

神式の告別式のマナーで、いちばん気をつけることは?

「ご冥福」「成仏」「供養」などの仏教の言葉を使わないことです。お悔やみは「心よりお悔やみ申し上げます」にしておけば安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 神式の告別式は「葬場祭」。故人に最後の別れをするおまつり
  • 焼香の代わりに玉串奉奠。根もとを祭壇に向け、しのび手で二拝二拍手一拝
  • 「冥福」「成仏」「供養」は使わず、「御霊の安らかならんことを」などにする
  • 香典は「御玉串料」「御榊料」。銀か白の水引で、蓮の模様のない袋
  • 服装や大きな流れは仏式とほぼ同じ。迷ったら係の人の案内に従う
告別式ガイド

告別式ガイド 編集部

告別式の意味と流れ、時間と日程、服装・香典・焼香・挨拶などの参列マナー、喪主・遺族の準備と葬儀社の選び方までを、急な知らせでも落ち着いて動けるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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