告別式から帰ったら清め塩|使い方と使わない宗派の考え方

告別式の塩(清め塩)について紹介する記事のアイキャッチ。玄関先の小皿の塩と会葬礼状

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告別式の帰り道、会葬礼状と一緒にもらった小さな塩の袋を見て、『これ、どう使うんだっけ?』と迷った方も多いはずです。

結論から言うと、告別式の塩(清め塩)は、家に入る前に体に軽く振りかけて使うものです。ただ、浄土真宗のように使わない宗派もあり、使うかどうかは宗派や家の考え方で決めてかまいません。

この記事では、清め塩の使い方と、塩がない時、使わない考え方の3つの場面をお伝えしますね。

目次

告別式でもらう塩は何のため?

先に結論

清め塩は、葬儀のあとに家に入る前、身を清めるために使う塩です。日常に戻る区切りとして行う風習で、宗教や宗派によって考え方が違います。

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、死のけがれを家に持ち込まないように、家に入る前に塩と水で身を清める「清め」の風習があると説明しています。

最近は、塩は会葬礼状にセットされているものを使うケースが多くなったそうです。受付や出口で渡される礼状の袋に、小さな塩の包みが入っているのはこのためなんです。

神社本庁は、葬儀の際などに塩が使われるのは、塩による清めの信仰に基づくものだと説明しています。非日常と日常とを分けるお清めの行為を、象徴的に行ったものといえるそうです。

塩は会葬礼状と一緒に渡されることが多い

葬儀社系の用語集である葬儀辞典は、会葬礼状は通夜や告別式の時に受付などで渡すことが多くなったと説明しています。清め塩やハンカチなどとセットにして渡すのが一般的だそうです。

受付で香典を渡した時や、式場の出口で会葬御礼を受け取った時に、袋の中を一度のぞいておくと、帰宅した時に慌てません。

『けがれって言われると、なんだか故人に申し訳ない…』と感じる方もいますよね。神社本庁の説明のように、「告別式という特別な場から、ふだんの暮らしに戻る区切り」と受け止める人もいます。

宗教・宗派による考え方の違い

宗教・宗派清め塩の扱い(各団体の説明)
仏式の多くの宗派風習として、家に入る前に塩で身を清めることがある
浄土真宗清めの考え方はなく、清め塩は使わない
神式家に入る前に、神職が祓除(ばつじょ)の儀を行う
キリスト教式清めという考え方自体がないので、とくに何もしない

神式とキリスト教式の扱いは、全互協の説明によるものです。宗派ごとの違いは宗派による告別式の違いでも紹介しています。

清め塩の使い方(告別式から帰った時の手順)

先に結論

家に入る前、玄関の外で塩を体に振りかけてから入ります。全互協が紹介しているのは、留守番の人に水と塩をかけてもらう形です。

全互協は、清めのやり方を次のように説明しています。家で留守番をしていた世話役や親族が、水を入れた桶と、小皿に盛った塩を玄関先に用意しておく形です。

全互協が紹介する清めの流れ
  1. 留守番の人が、水を入れた桶と小皿の塩を玄関先に用意する
  2. 帰ってきた人は、両手に水をかけてもらう
  3. 塩を肩や腕、足元などにかけてもらう
  4. 清めが終わってから家に入る
告別式から帰った時の清め塩の流れを、玄関先の用意から家に入るまで順番に示した図解

今は、留守番の人がいないことも多いですよね。一人で帰った時は、会葬礼状についている塩を自分で肩や足元に軽く振りかけ、払ってから家に入ってかまいません。

細かな作法は決められていない

塩を踏むかどうか、どのくらいの量を使うかといった細かい作法は、業界団体などの説明では決められていません。家族のやり方や地域の習わしに合わせておけば十分です。

水を用意できない時は

全互協の説明では、塩の前に両手に水をかけてもらいます。ただ、斎場から直接帰宅する時など、水を用意できないことも多いですよね。

その場合は、塩だけで済ませてかまいません。帰宅してすぐに手を洗えば、気持ちの上でも区切りがつきます。

家族が出迎えてくれる時の声かけ

家族が玄関で待っていてくれる時は、こんなやり取りになります。

「ただいま。塩、お願いできる?」

「おかえりなさい。肩にかけるね」

ちょっとしたひと声で、慌ただしい一日に区切りがつきます。

遺族が火葬場から戻った時の清め

全互協の説明にある「留守番をしていた世話役や親族」は、もともと遺族が火葬場から戻る場面を想定したものです。

全互協は、出棺を見送ったあとに残る世話役は、後片づけをして遺骨を迎える準備をすると説明しています。遺骨を迎える家や式場の入り口で、水と塩を用意しておく流れです。

遺族の側で清め塩を使うかどうかを決めたら、葬儀社との打ち合わせで伝えておきましょう。礼状に塩をつけるかどうかも、この時に一緒に決められます。

清め塩は「使う時・ない時・使わない時」の3場面で考える

先に結論

使う家は礼状の塩で軽く清め、塩がない時や忘れた時は気にしすぎず、使わない家は無理に使わない。これで迷いません。

清め塩で迷うのは、だいたい次の3つの場面です。それぞれの考え方を表にまとめました。

場面よくある迷い考え方
使う時どこにかける?どう払う?家に入る前に肩や足元などへ軽く振る。量や順番に決まりはない
塩がない・忘れた時礼状に塩が入っていない、清める前に入ってしまった必要と考える時だけ、家の塩で後から清める人もいる。気に病む必要はない
使わない時浄土真宗の家、塩を使わない考えの家宗派の考え方として使わない。使わなくても失礼にはならない

『塩が入っていないのは、手違い?』と思うかもしれませんね。浄土真宗の葬儀など、清めをしない考え方で行う式では、礼状に塩をつけないこともあります。

家族と考え方が違う時は

『自分は気にしないけれど、母はいつも塩を使う人で…』のように、家族で考え方が分かれることもありますよね。

清め塩は、使うか使わないかで正解が決まるものではありません。一緒に暮らす家族が大切にしている習慣なら、その家のやり方に合わせるのが穏やかです。

家族と意見が違う時の考え方
  • 家に入る前の一瞬で済むなら、相手のやり方に合わせてみる
  • 自分の宗派で使わない時は、その理由を穏やかに伝える
  • どちらが正しいかを言い争わない
  • 迷ったら菩提寺に、宗派としての考え方を聞いてみる
清め塩を使う時、塩がない・忘れた時、使わない時の3つの場面の考え方をまとめた図解

自分の宗派で使わないと伝える時は、相手の習慣を否定しない言い方を選ぶと角が立ちません。

「うちは浄土真宗だから、塩は使わないことにしているんだ。お母さんが使うのは止めないからね」

こんなふうに、自分の考えと相手への配慮を両方伝えると、どちらも気持ちよく過ごせます。

清め塩を使わない宗派の考え方

先に結論

浄土真宗では清め塩を使いません。死をけがれとは受け止めないという考え方によるものです。使う・使わないは宗派や家の考え方として尊重し合えば大丈夫です。

真宗大谷派(東本願寺)の真宗会館は、「真宗では清め塩を使用しませんので、必要ありません」と説明しています。

その理由として、死のけがれを清めるという意味なら、亡き人がけがれたものになり、葬儀もけがれた行為になってしまう、と述べています。仏教では決して死をけがれと受け止めない、という考え方です。

全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)も、浄土真宗では清めの塩を用いないと説明しています。

宗派の考え方として受け止める

清め塩を使う家と使わない家は、それぞれの宗派や地域の考え方に沿っています。どちらかが間違っているわけではありません。

浄土真宗の告別式に参列した時は

参列した告別式が浄土真宗で、礼状に塩が入っていなかった。でも自分の家ではいつも塩を使っている。そんな場面もありますよね。

その場合は、自分の家に入る時のことなので、家の習慣に合わせて塩を使ってもかまいません。ただ、喪家の前や式場で塩の話題を出すのは控えておくと、遺族の考え方を大切にできます。

神式とキリスト教式の場合

神式では、葬儀のあと家に入る前に、神職が祓除(ばつじょ)の儀を行うと全互協は説明しています。参列者が自分で塩を使うかどうかは、自分の家の考え方で決めてかまいません。

キリスト教式では、清めという考え方自体がないので、とくに何もしないとされています。礼状に塩が入っていなくても、驚かなくて大丈夫です。

参列する側としては、喪家の宗派に合わせて振る舞うのが基本です。告別式の参列マナー全体は告別式の参列マナーで紹介しています。

告別式の塩についてよくある相談

先に結論

Yahoo!知恵袋では、清め塩を忘れて家に入った時や、まき方、礼状に塩がついていない時の相談が多く見られます。閲覧の多い相談を要約してお答えしますね。

相談1:告別式から帰って、塩で清めるのを忘れて家に入ってしまった

帰宅したあとで清め塩のことを思い出した。後から何かすればいいのか、という相談です。

清め塩は、日常に戻る区切りとして行う風習です。忘れたからといって、何か悪いことが起きると心配する必要はありません。

気になるようなら、一度玄関の外に出て、改めて塩を振ってから入り直す人もいます。気持ちが落ち着く方法を選んでくださいね。

家族に指摘された時は、「うっかりしていたから、今から清めてくるね」と軽く返せば、それで十分です。

相談2:清め塩は、服に直接かける?足元にまく?

清め塩の正しいまき方が分からない、という相談です。

全互協は、塩を肩や腕、足元などにかけてもらうと説明しています。服に軽く振りかけて、手で払い落とせば十分です。

家に入ったら、喪服についた塩の粒を軽くはたいておくと、部屋に散らばりません。

相談3:最近の告別式では、礼状に塩がついていないことが多い?

会葬礼状の袋に、塩が入っていないことが増えたと聞いた、という相談です。

浄土真宗の葬儀や、清めをしない考え方の式では、塩をつけないことがあります。塩がない時は、その式の考え方に合わせて、使わずに家に入って大丈夫です。

受付や出口で「お清めの塩は入っていますか」と尋ねる必要もありません。遺族や式場の人を戸惑わせないよう、そのまま受け取って帰りましょう。

どうしても塩で区切りをつけたい時は、家にある塩を使えば十分です。

自分の家族の時に慌てないために

清め塩を礼状につけるかどうかも、葬儀社と打ち合わせて決めることの一つです。自分や家族のもしもの時に、夜中や休日でも電話で相談できる葬儀社を知っておくと、慌てずにすみますよ。

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よくある質問

清め塩は、通夜から帰った時にも使いますか?

使う家では、通夜や告別式など葬儀に参列して帰った時に使います。考え方は告別式と同じです。

清め塩は、家にある普通の塩でもいいですか?

全互協が紹介しているのは小皿に盛った塩を使う形で、特別な塩とはされていません。礼状の塩がない時は家の塩で済ませる人もいます。

浄土真宗の告別式でもらった礼状に塩がない時は?

浄土真宗では清め塩を使わないので、塩がないのは自然なことです。そのまま家に入って大丈夫です。

告別式に出かける前に、塩をまいておいてもいいですか?

清め塩は、告別式から帰って家に入る前に使うものとして紹介されています。出かける前にまく決まりはありません。

自家用車で告別式に行った時、車にも塩をかけますか?

全互協が紹介しているのは、家に入る前に人が身を清める形で、車について触れた説明はありません。気になる時だけ、家の考え方で決めてかまいません。

告別式でもらった塩が余ったら、どうすればいいですか?

決まった扱い方は示されていません。気になる時は、使う予定がなければ処分してかまいません。

まとめ

この記事の要点
  • 清め塩は、告別式から帰って家に入る前に身を清める風習
  • 全互協が紹介するのは、水で手を清め、塩を肩や腕、足元にかけてもらう形
  • 浄土真宗やキリスト教式では使わない。神式は祓除の儀を行う
  • 忘れた時や塩がない時も、気に病む必要はない
  • 家族と考えが違う時は、その家の習慣を尊重し合う

告別式から帰ったあとの段取りは告別式のあとにすること、告別式そのものについては告別式とは?で紹介しています。

告別式ガイド

告別式ガイド 編集部

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