母親・父親を送る告別式の喪主挨拶|例文と入れたい思い出

母・父を送る告別式の喪主挨拶の例文を紹介する記事のアイキャッチ。和室の座卓に置かれた白い花と挨拶のメモ

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お母さま、お父さまを亡くされ、心からお悔やみ申し上げます。悲しむ間もなく、『喪主として、母のことをどう話せばいいんだろう』と考えている方も多いはずです。

結論から言うと、母・父を送る喪主挨拶の型は、ほかの告別式の挨拶と同じです。違いが出るのは「その人らしさが伝わる思い出を、1つだけ選ぶ」ところなんです。

ここでは、思い出の選び方と、長男・長女・配偶者の立場別の例文を紹介します。告別式の喪主挨拶の例文を母親向け・父親向けに分けているので、近いものから使ってみてください。

目次

母・父を送る喪主挨拶で押さえたいこと

先に結論

挨拶の流れは「名乗り・お礼・故人の人柄・今後のお願い・結び」です。母・父を送る時は、名乗りで続柄をはっきり言い、人柄の部分に思い出を1つ入れると、聞く人の心に残る挨拶になります。

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、出棺の挨拶のポイントとして、自己紹介、会葬と見送りへのお礼、生前のお付き合いへの感謝、今後の支援のお願いを挙げています。全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)は、実際は故人との思い出などを織り交ぜながら話すと添えています。

つまり、思い出は「入れてもいい」部分なんです。母・父を送る挨拶では、ここが一番その人らしさの出るところになります。

挨拶全体の組み立て方と長さ別の例文は告別式の喪主挨拶の例文で、告別式そのものの意味は告別式とは?で紹介しています。この記事では、母・父ならではの言葉選びに絞ってお伝えしますね。

参列者の前での呼び方

参列者に向けた挨拶では、自分の親を「母」「父」と呼ぶのが落ち着いて聞こえます。名乗りでは「故人〇〇の長男」のように、故人の名前と続柄を一緒に言うと誰の挨拶か伝わりやすくなります。

場面母を送る時父を送る時
名乗り「母〇〇の長女、△△でございます」「父〇〇の長男、△△でございます」
挨拶の中で「母は」「生前の母は」「父は」「生前の父は」
故人に語りかける時「お母さん、ありがとう」「お父さん、お疲れさまでした」

『最後に「お母さん」と呼びかけたい』という方もいますよね。

挨拶の結びの前に、ひと言だけ語りかけを入れるのは自然なことです。参列者への言葉と、故人への言葉を分けて話すと聞きやすくなります。

誰が喪主を務める?

全互協は、喪主は一般的に、故人の配偶者、長男、長女、親、兄弟の順で、故人とのつながりが深い人がなると説明しています。父を送る時は母が、母を送る時は父が喪主になり、子どもが遺族代表として挨拶する形もよくあります。

結婚して姓が変わっていても、故人の実の娘なら喪主になってかまわないそうです。嫁いだ長女が母や父を送る挨拶をしても、何もおかしくありません!

母・父の人柄が伝わる思い出の選び方

ここでの結論

思い出は「仕事」「家庭」「趣味」「口ぐせ」「人付き合い」の5つの引き出しから1つ選ぶと決めやすくなります。参列者の顔ぶれを思い浮かべて、多くの人がうなずける場面を選ぶのがコツです。

『母との思い出がありすぎて、選べない』と悩む方は少なくありません。そんな時は、次の表から引き出しを1つ選んでみてください。

引き出し伝わりやすい参列者母を送る時の一文の例父を送る時の一文の例
仕事職場の方、取引先の方「母は長く勤めた職場のことを、家でもうれしそうに話していました」「父は仕事一筋でしたが、皆様に育てていただいたとよく申しておりました」
家庭親族、近所の方「母の作るお弁当は、家族みんなの楽しみでした」「父は休みの日になると、家族を外に連れ出してくれました」
趣味趣味の仲間、友人「母は手芸の会で皆様とおしゃべりする時間を、何より楽しみにしていました」「父は釣り仲間の皆様と出かける朝、子どものような顔をしておりました」
口ぐせ誰にでも「母の口ぐせは『なんとかなるよ』でした」「父はいつも『人には親切にしなさい』と言っておりました」
人付き合い友人、地域の方「母は困っている人を見ると、放っておけない人でした」「父は地域の集まりに顔を出すのを、楽しみにしていました」
母・父の人柄が伝わる思い出を、仕事・家庭・趣味・口ぐせ・人付き合いの5つの引き出しから選ぶ方法をまとめた図解

例えば、参列者に職場の方が多いなら「仕事」、近所の方や親族が中心なら「家庭」や「人付き合い」が伝わりやすくなります。

迷ったら「口ぐせ」が便利です。誰が聞いても、その人の姿が浮かびますから。

思い出を1文にまとめる手順

思い出は、長く話そうとするほどまとまらなくなります。次の手順で、1〜2文に絞ってみてください。

思い出を1文にする手順
  1. 母・父の姿が浮かぶ場面を3つ書き出す
  2. 参列者の多くが知っていそうな場面を1つ選ぶ
  3. 「母は〜な人でした」の形で1文にする
  4. 足したい時だけ、その場面を表す1文を加える
  5. 声に出して読み、言いにくい言葉を直す

「〜な人でした」で締めると、挨拶の流れを止めずに人柄が伝わります。具体的な場面は、その前に1文だけ置けば十分です。

母・父を送る挨拶の思い出を書き出すための便せんとペン

思い出が浮かばない時は

『離れて暮らしていて、最近の母のことをよく知らない』という方もいますよね。そんな時は、無理にエピソードを探さなくて大丈夫です。

参列してくれた方の顔ぶれそのものを、人柄の一文にする方法があります。例えば、こんな言い方です。

「今日お集まりいただいた皆様のお顔を拝見し、母がどれほど多くの方に支えられていたかを知りました」

子どもの頃の記憶から選ぶのもいい方法です。「父が自転車の練習に付き合ってくれた日のことを、今も覚えています」のように、自分が見ていた親の姿を一文にすれば、それが立派な思い出になります。

入れないほうがいい思い出

思い出は、聞く人が穏やかな気持ちになれるものを選びましょう。次のような話題は、挨拶ではなく、親しい人との会話の中で話すほうが向いています。

挨拶で避けたい話題
  • 亡くなるまでの詳しい経緯や、療養中の様子
  • 家族の中での行き違いや、親族間のもめごと
  • お金や相続にまつわる話
  • 家族の中だけで通じるあだ名や、内輪の笑い話

『看病の日々を話して、皆さんにお礼を言いたい』と思う方もいるかもしれません。その気持ちは、「生前は大変お世話になりました」のひと言に込めれば伝わりますよ。

母親を送る告別式の喪主挨拶の例文

ここでの結論

母を送る挨拶では、家族を支えてくれたことや、人とのつながりを大切にしていたことを人柄の部分に入れると、母らしさが伝わりやすくなります。

例文は、故人を「〇〇」、話す人を「△△」としています。出棺の前に、見送りの参列者に向けて話す想定です。

長男が母を送る例文

例文:長男が母を送る

「母〇〇の長男、△△でございます。遺族を代表いたしまして、ひと言ご挨拶を申し上げます。本日はご多用の中、母のためにお集まりいただき、最後までお見送りをいただきまして、誠にありがとうございました。母は、家族の誕生日を一度も忘れたことのない人でした。母が大切にしてきた皆様とのご縁を、これからは私たちが受け継いでまいります。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。本日はありがとうございました」

長男の挨拶では、「これからは私たちが」と、家族を引き継ぐ気持ちを入れると落ち着いた印象になります。

長女が母を送る例文

例文:長女が母を送る

「喪主を務めます、母〇〇の長女の△△でございます。本日はお足元の悪い中、ご会葬いただき、心よりお礼申し上げます。母は料理が好きで、誰かが訪ねてくると、いつも何か作ってもてなしておりました。皆様にも、母の手料理を召し上がっていただいたことがあるかもしれません。そんな母を、今日こうして皆様と一緒に送ることができ、母もきっと喜んでいると思います。生前のご厚情に感謝し、今後とも私ども家族をよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました」

この例文では、母の料理好きという場面に「皆様にも召し上がっていただいたかもしれません」と添えています。参列者を思い出の中に招き入れるひと言があると、聞いている人が自分の記憶と重ねやすくなりますよ。

父が配偶者として母を送る例文

母を送る時、父が喪主を務めることもあります。配偶者の立場では、夫婦としての感謝をひと言入れると、その人らしい挨拶になります。

例文:父が母を送る

「〇〇の夫、△△でございます。本日は妻のために、遠方からも大勢の皆様にお越しいただき、ありがとうございました。妻は子どもたちを育て上げ、孫の成長を何よりの楽しみにしておりました。至らない夫を長く支えてくれた妻に、今は感謝の言葉しかございません。今後とも、子どもたちともども、どうぞよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました」

配偶者を送る時の言い回しは妻・夫を送る告別式の喪主挨拶で詳しく紹介しています。

父親を送る告別式の喪主挨拶の例文

ここでの結論

父を送る挨拶では、仕事ぶりや、家族に見せていた背中、口ぐせなどを人柄の部分に入れると、父らしさが伝わります。言葉数の少なかった父なら、その寡黙さをそのまま一文にしてもかまいません。

長男が父を送る例文

例文:長男が父を送る

「故人〇〇の長男、△△でございます。本日はお忙しい中、父の告別式にご会葬いただき、誠にありがとうございました。父は口数の少ない人でしたが、皆様と出かけた日の夜だけは、楽しそうに話を聞かせてくれました。それだけ、皆様とのお付き合いが父の支えになっていたのだと思います。父が生前に賜りましたご厚情に、家族一同心よりお礼申し上げます。今後とも、残された母と私たちを、どうぞよろしくお願いいたします」

父を送る時は、残された母のことを最後に頼む形も自然です。参列者も、これからの家族を気にかけてくれています。

長女が父を送る例文

例文:長女が父を送る

「父〇〇の長女、△△でございます。本日は寒い中、最後までお見送りいただき、ありがとうございました。父の口ぐせは『人には親切にしなさい』でした。今日、こんなにも多くの方に見送っていただき、父がその言葉どおりに生きてきたことを改めて感じております。皆様、本当にありがとうございました。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます」

口ぐせを使う時は、その言葉と参列者の多さを結びつけると、自然に感謝へつながります。『父の言葉を借りるなんて照れくさい』と思うかもしれませんが、参列者には父の姿がはっきり浮かぶ一文になります。

故人への語りかけで結ぶ例

参列者へのお礼を言い終えたあと、最後に故人へひと言語りかけて結ぶ形もあります。気持ちを込めやすく、聞いている人の心にも残りやすい結び方です。

例文:語りかけで結ぶ

「(参列者へのお礼と今後のお願いを述べたあと)最後に、父にひと言だけ言わせてください。お父さん、長い間本当にお疲れさまでした。ありがとう。皆様、本日は誠にありがとうございました」

語りかけは1〜2文にとどめ、最後はもう一度参列者へのお礼で締めます。そうすると、挨拶がどこで終わったのかが参列者にも分かりやすくなります。

母が配偶者として父を送る例文

例文:母が父を送る

「〇〇の妻、△△でございます。本日は主人のために、最後までお見送りいただき、ありがとうございました。主人は家のことはあまり話さない人でしたが、皆様からいただいた年賀状を、毎年うれしそうに読み返しておりました。これからは子どもたちと力を合わせてまいります。どうぞ変わらぬお付き合いをお願いいたします」

義理の母・父を送る時、喪主に代わって話す時

ここでの結論

義理の親を送る時は、名乗りで「故人の娘の夫」「故人の長男の妻」のように関係を説明します。喪主に代わって子どもが話す時は「喪主〇〇に代わりまして」と最初に添えれば、あとの流れは同じです。

挨拶の型は同じでも、名乗りの部分だけは立場によって変わります。迷いやすい名乗り方を表にしました。

立場名乗りの例
娘の夫が義父・義母を送る「故人〇〇の長女の夫、△△でございます」
息子の妻が義父・義母を送る「故人〇〇の長男の妻、△△でございます」
母が喪主で、長女が代わりに話す「喪主である母に代わりまして、長女の△△がご挨拶申し上げます」
父が喪主で、長男が代わりに話す「喪主〇〇に代わりまして、長男の△△がご挨拶を申し上げます」

全葬連のQ&Aでは、遺族代表の挨拶は、喪主かその代理の親族がするとされています。喪主が高齢だったり、気持ちの面で人前に立つのが難しかったりする時は、子どもが代わってかまいません。

喪主と施主の違い

挨拶を頼まれた時に、「施主挨拶」と言われることがあります。

全互協は、喪主は葬儀を執り行う当主、施主は法事や葬儀などを行う責任者と説明しています。一般的な葬儀では、喪主が施主を兼ねています。

喪主の母に代わる時の結び

喪主に代わって話す時は、結びに「母からも、皆様にくれぐれもよろしくとのことでございます」とは言わず、「母ともども、今後ともよろしくお願いいたします」とすると、重ね言葉を避けられます。

子どもの立場で喪主を務める時の例文は長男・長女・息子・娘が喪主の告別式挨拶でも紹介しています。

母・父の告別式の挨拶でよくある相談

ここでの結論

よく見られるのは「初めての喪主で、通夜と告別式の挨拶文が作れない」「火葬を先にする告別式の挨拶はどうするか」「例文を参考にしていいのか」という相談です。

Yahoo!知恵袋で喪主挨拶の例文に関する質問を見ると、親を送る立場からの相談が多くありました。内容を要約して、答えをまとめます。

相談1:初めての喪主で、通夜と告別式の挨拶文が作れない

母が亡くなり、初めて喪主を務めることになったけれど、通夜と告別式でそれぞれ何を話せばいいのか分からない、という相談です。

通夜の挨拶は、全互協によると、弔問へのお礼と生前のお付き合いへの感謝を述べ、通夜振る舞いの席へ案内して締めくくります。告別式の挨拶は、お見送りへのお礼と今後のお願いが中心です。

まずは告別式の挨拶を、この記事の例文から1つ選んで仕上げてみてください。通夜の挨拶は、その中のお礼と感謝の部分に、通夜振る舞いの案内を足すだけで作れます。

相談2:火葬を先にする告別式では、挨拶はいつする?

火葬を先に済ませて、その後に通夜と告別式を行う形になったけれど、喪主の挨拶はどの場面ですればいいのか、という相談です。

火葬を先に行い、遺骨で葬儀を行う形は「骨葬」と呼ばれます。全葬連は、火葬が済んでいて出棺が行われない場合などは、葬儀や告別式の最後の場で挨拶をすると説明しています。

その場合は、例文の「最後までお見送りいただき」を「最後までご会葬いただき」に言い換えると、場面に合った挨拶になります。地域の習わしは地域による告別式の違いで紹介しています。

相談3:ネットの例文を参考にしてもいい?

挨拶文はみんなどうやって考えているのか、例文を探して使うものなのか、という相談です。

例文を参考にするのは、まったく問題ありません!全葬連も、形式ばった言葉である必要はないとしています。例文の型を借りて、思い出の1文だけを母・父らしい言葉に差し替えるのが、いちばん無理のない作り方です。

段取りに追われる前に

喪主の挨拶を考える時間をとるには、ほかの段取りを任せられる相手がいることも大切です。葬儀社の担当者は、挨拶のタイミングや場所、進行との兼ね合いも一緒に考えてくれます。

これから葬儀社を決める段階なら、夜中や休日でも電話で相談でき、当日の進行まで任せられる所を選んでおくと、挨拶の準備に気持ちを向けられますよ。

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よくある質問

母親の告別式で、喪主の挨拶に思い出は入れたほうがいいですか?

入れなくても失礼にはなりませんが、全葬連は故人との思い出などを織り交ぜながら話すと説明しています。1〜2文の短い思い出を入れると、母親らしさが伝わる挨拶になります。

挨拶の中で「お母さん」と呼んでもいいですか?

参列者に向けた部分では「母」と呼ぶと落ち着いて聞こえます。結びの前に、故人に語りかける形で「お母さん、ありがとう」と添えるのは自然なことです。

嫁いだ娘でも、父の告別式で喪主挨拶をしていいですか?

かまいません。全互協は、結婚して姓が変わっていても、故人の実の娘なら喪主になってかまわないと説明しています。

義父の告別式で、娘の夫が喪主を務める時はどう名乗りますか?

「故人〇〇の長女の夫、△△でございます」のように、故人との関係が分かる形で名乗ると伝わりやすくなります。

挨拶の途中で涙で言葉が詰まったら?

ひと呼吸おいてから続ければ大丈夫です。参列者も遺族のつらさを分かったうえで聞いてくれています。紙に書いておくと、どこまで話したか見失いにくくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 母・父を送る喪主挨拶の型は、名乗り・お礼・人柄・今後のお願い・結び
  • 思い出は仕事・家庭・趣味・口ぐせ・人付き合いの引き出しから1つ選ぶ
  • 思い出は「〜な人でした」の形で1〜2文にまとめる
  • 亡くなるまでの経緯や家族のもめごとは挨拶に入れない
  • 義理の親を送る時や喪主に代わる時は、名乗りで関係を説明する
  • 火葬が先の告別式では、式の最後に「ご会葬へのお礼」として挨拶する
告別式ガイド

告別式ガイド 編集部

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