告別式の挨拶の基本|例文の組み立て方と避けたい言葉

告別式の挨拶の基本を紹介する記事のアイキャッチ。控室の机に置かれた挨拶のメモと袱紗

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告別式で挨拶を頼まれて、『何から考えればいいの?』と困っていませんか。喪主なのか、親族代表なのか、友人として弔辞を読むのかで、話す中身も変わりますよね。

結論から言うと、告別式の挨拶は立場が違っても「自分が誰か」「故人や遺族への気持ち」「結びのお礼」の3つでできています。そこに、弔事で避けるとされる言葉への気配りを足せば十分です。

ここでは、告別式で挨拶をする人と場面の一覧、立場ごとの例文、全員に共通する言い換え表を紹介します。

目次

告別式で挨拶をするのは誰?立場と場面の一覧

先に結論

告別式で挨拶をする人は、大きく分けて喪主(または遺族代表)、親族代表、弔辞を読む人、献杯の発声をする人、受付係、参列者の6つの立場です。話す場面も長さも違うので、まず自分がどれに当たるかを確かめましょう。

『自分の挨拶は、式のどこで話すんだろう』と思った方は、次の表で確かめてみてください。

立場話す場面中心になる言葉長さの考え方
喪主・遺族代表出棺の前、または告別式の最後会葬と見送りへのお礼、今後のお願い簡単なもので十分とされる
親族代表喪主に代わって話す時喪主と同じ内容を、親族の立場で喪主挨拶と同じくらい
弔辞を読む人式の中(読経や焼香の前後)故人との思い出、人柄、遺族への言葉3分程度が目安とされる
献杯の発声をする人精進落とし(会食)の始まり故人をしのぶひと言と、献杯の発声ごく短く
受付係参列者を迎える時来てくれたことへのお礼ひと言
参列者受付、焼香のあと、出棺の見送りお悔やみのひと言ひと言
告別式で挨拶をする人を、喪主・親族代表・弔辞・献杯・受付係・参列者の6つの立場に分け、話す場面を並べた図解

全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)は、喪主は普通は出棺の際に挨拶をし、出棺がない場合などは告別式の最後に行うと説明しています。弔辞は、告別式で僧侶の読経や焼香のあとに読まれるのが慣例とされますが、葬儀の途中に読まれる場合もあるそうです。

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、精進落としでは喪主がお礼を述べ、僧侶に献杯の音頭をとってもらうと説明しています。地域や式場によっては親族の誰かが献杯を頼まれることもあるので、頼まれた時の挨拶は告別式の献杯の挨拶で確かめてみてください。

告別式そのものの意味と当日の流れは告別式とは?で紹介しています。

どの挨拶にも共通する組み立て方と例文

ここでの結論

告別式の挨拶文は「名乗り」「気持ち」「結び」の3段で組み立てます。喪主ならお礼、弔辞なら故人への言葉、参列者ならお悔やみと、真ん中の「気持ち」だけを立場に合わせて入れ替えます。

挨拶の例文はたくさんありますが、骨組みは同じなんです。骨組みが分かれば、例文を読んだ時に「どこを自分の言葉に変えればいいか」がすぐに分かります。

挨拶文の3段の組み立て
  1. 名乗り:故人との関係と名前を言う(参列者のひと言では省く)
  2. 気持ち:お礼、思い出、お悔やみなど、立場に合った中身を述べる
  3. 結び:「ありがとうございました」「よろしくお願いいたします」で締める

喪主・遺族代表の例文

全互協は、出棺の挨拶のポイントとして、自己紹介、会葬と見送りへのお礼、生前のお付き合いへの感謝、今後の支援のお願いの4つを挙げています。

例文:喪主・遺族代表

「故人〇〇の長男、△△でございます。本日は最後までお見送りいただき、ありがとうございました。皆様に支えていただいた父は、幸せな人だったと思います。今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします」

部品ごとの言い回しや長さ別の例文は告別式の喪主挨拶の例文で紹介しています。

親族代表の例文

全葬連のQ&Aでは、遺族代表の挨拶は、喪主かその代理の親族がするとされています。親族代表として話す時は、名乗りで喪主との関係をひと言添えるのがポイントです。

例文:親族代表

「故人の弟の△△でございます。喪主に代わりまして、親族を代表してひと言ご挨拶申し上げます。本日はご多用の中、兄のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。残された家族を、これからもどうぞよろしくお願いいたします」

親族代表の挨拶は親族代表の告別式挨拶で詳しく紹介しています。

弔辞の組み立て

全葬連は、弔辞の基本の構成として、出だし(故人を悼む言葉と遺族への哀悼)、故人との関係、故人への賛辞、遺族への言葉、結びの5つを挙げています。故人と特に親しかった友人、同僚、上司、部下、親族などが読むのが一般的だそうです。

例文:弔辞の出だしと結び

出だし:「〇〇さん、こうしてお別れの言葉を述べる日が来るとは、思ってもいませんでした」
結び:「〇〇さん、長い間ありがとう。どうか安らかにお休みください」

弔辞の書き方と全体の例文は告別式の弔辞の書き方と例文で紹介しています。

受付係・参列者のひと言

受付係や参列者の挨拶は、長く話す必要はありません。受付係は参列者に来てくれたお礼を、参列者は遺族にお悔やみを、それぞれひと言で伝えます。

立場場面ひと言の例
受付係参列者を迎える「本日はお忙しいところ、ありがとうございます」
受付係記帳をお願いする「恐れ入りますが、こちらにご記帳をお願いいたします」
参列者受付で「このたびはご愁傷さまでございます」
参列者遺族に会った時「心よりお悔やみ申し上げます」

参列者としてかけるお悔やみの言葉は告別式で遺族にかける言葉で、受付の手伝いを頼まれた時のことは告別式の受付係のやり方で紹介しています。

告別式の挨拶例文を使う時のコツ

ネットや本で見つけた告別式の挨拶例文は、そのまま使ってもかまいません。ただ、例文のままだと、誰の告別式でも通じる言葉になってしまいます。

そこで、3段の真ん中の「気持ち」の部分だけを、故人を思い浮かべながら書き換えてみてください。例えば、こんな具合です。

気持ちの部分を書き換えた例
  • 「父は、毎朝近所の方と挨拶を交わすのを楽しみにしていました」
  • 「〇〇さんが職場で一番に声をかけてくれた日を覚えています」
例文のままの例
  • 「父は、皆様に大変お世話になりました」
  • 「〇〇さんには、生前大変お世話になりました」

例文のままでも失礼ではありません。それでも、1文だけ具体的な場面が入ると、聞いている人の心に届く挨拶に変わるんです。

『どんな場面を書けばいいか分からない』という時は、故人の口ぐせや、よく一緒に過ごした場所を思い出してみてください。それだけで十分な材料になりますよ!

全員に共通する忌み言葉の言い換え表

ここでの結論

弔事では、不幸が重なることや、くり返すことを連想させる言葉を、慣習として避けるとされています。挨拶では、単語よりも「言い回しごと」言い換えると、うっかり使うのを防げます。

全葬連は、弔事で避ける言葉を、重ね言葉、くり返しを予想させる言葉、音が不吉を連想させる言葉、生々しい表現、仏教で浄土に行けないことを思わせる言葉、仏教用語を他の宗教で使うこと、の6つに分けて説明しています。

なお、辞書の「重ね言葉」は、意味を強めるために同じ言葉を重ねることを指します。弔事で避けるのは、業界団体が説明している慣習としての考え方なんです。

この記事では、挨拶の中で出やすい言い回しを、その分類ごとに並べてみました。

分類(全葬連の説明から)挨拶で出やすい言い回し言い換えの例
重ね言葉「重ね重ねお礼申し上げます」「改めてお礼申し上げます」
重ね言葉「くれぐれもよろしくお伝えください」「どうぞよろしくお伝えください」
くり返しを予想させる「引き続きよろしくお願いいたします」「これからもよろしくお願いいたします」
くり返しを予想させる「また皆様にお会いできる日を」「皆様とのご縁を大切にしてまいります」
くり返しを予想させる「次に、ご挨拶を申し上げます」「このあと、ご挨拶を申し上げます」
音が不吉を連想させる数の「四」「九」を含む言い方別の言い方にするか、数を言わない
生々しい表現「父が死んで」「父が亡くなり」「父が他界し」
生々しい表現「生きていた頃は」「生前は」「元気でいた頃は」
浄土に行けない(仏教)「これでは父も浮かばれません」使わずに、感謝の言葉に置き換える
仏教用語を他宗教で神式・キリスト教式で「ご冥福を」キリスト教式では「安らかな眠りをお祈りいたします」
告別式の挨拶で避けたい言葉を6つの分類に分け、言い回しごとに言い換える考え方をまとめた図解

全互協も、お悔やみの言葉について、「苦しむ」「つらい」「とんだこと」「浮かばれない」「迷う」などは、慣習として用いないと説明しています。

遺族側だけが使う言葉もある

NTT東日本のお悔やみのマナーの案内では、「大往生でした」「天寿をまっとういたしました」は遺族側のみが使う言葉とされています。喪主や親族の挨拶で使う分にはかまいませんが、参列者の側から言うのは控えておきましょう。

うっかり使いやすい言葉
  • 喪主の結びで「重ね重ねありがとうございました」と言ってしまう
  • 親族代表が「引き続きよろしく」と締めてしまう
  • 神式やキリスト教式の告別式で「ご冥福をお祈りします」と言ってしまう

『全部気にしていたら、何も話せない』と思いますよね。

ただ、うっかり使っても、それだけで大きな失礼になることは少ないものです。結びの言葉だけ前もって決めておくと、いちばん出やすい失敗は防げますよ。

通夜・告別式・告別式後の挨拶はどう違う?

ここでの結論

通夜の挨拶は「弔問へのお礼と案内」、告別式の挨拶は「お見送りへのお礼と今後のお願い」、告別式後の会食の挨拶は「無事に終えたお礼と今後の予定」が中心です。同じ人が何度も話す時は、中身を少しずつずらしましょう。

喪主は、通夜、告別式、そのあとの会食と、何度か挨拶をすることがあります。全互協と全葬連の説明から、それぞれの中心になる言葉を表にしました。

時点中心になる言葉結びの例
通夜弔問へのお礼、生前の厚誼への感謝通夜振る舞いの席への案内、翌日の葬儀の時刻
告別式(出棺前)会葬と見送りへのお礼、今後のお願い「本日は誠にありがとうございました」
告別式後の会食(始まり)お世話になったお礼、無事に済んだお礼「ゆっくり召し上がってください」
告別式後の会食(終わり)改めてのお礼、今後のお願い納骨など今後の予定の連絡

全葬連は、精進落としの開宴と閉宴に、喪主か遺族代表が挨拶をすると説明しています。閉宴の挨拶では、改めてのお礼、今後の遺族への支援のお願い、納骨など今後の予定を伝えるそうです。

後日、お世話になった方へ伝えるひと言

告別式が終わってから、手伝ってくれた方や近所の方に会った時にも、ひと言お礼を伝える場面がありますよね。その時は、告別式の挨拶を短くした形で十分です。

「先日はお忙しい中、父の告別式にお越しいただき、ありがとうございました。おかげさまで無事に見送ることができました」

ここでも、「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉は避けておくと安心です。

告別式のあと、日を改めてお世話になった方へ挨拶に伺う時のことは告別式後のお礼で紹介しています。

カンペを使ってもいい?告別式のスピーチの準備と当日のマナー

ここでの結論

告別式の挨拶で、紙やカード(カンペ)を見ながら話すのはまったく問題ありません。弔辞はもともと紙に書いて読み上げるものですし、喪主の挨拶も紙を見て話す人はたくさんいます。

『カンペを見ながら話すと、心がこもっていないと思われそう』と心配する方もいますよね。ただ、告別式の挨拶は、上手なスピーチを披露する場ではありません。

全葬連は、喪主の挨拶について、形式ばった言葉である必要はなく、心を込めて感謝の気持ちを伝えればよいと説明しています。紙を見て言葉に詰まらずに話せるなら、そのほうが気持ちは伝わります!

挨拶文を準備する手順

当日までの準備チェック
  • 自分の立場と、話す場面(出棺前・式の中・会食)を葬儀社や遺族に確かめた
  • 3段の組み立てに沿って、挨拶文を書いた
  • 言い換え表を見て、避けたい言い回しを直した
  • 声に出して読み、言いにくい所を直した
  • 大きめの文字で、便せんやカードに書き写した

全互協は、弔辞について、時間を計りながら声に出して読み上げ、あがると早口になるのでゆっくり読むよう心がけると説明しています。喪主や親族代表の挨拶でも、同じ準備が役に立ちます。

当日のふるまい

挨拶の前後には、一礼をするのが基本です。全互協は、弔辞を読む時の所作として、遺族に一礼して祭壇の前に進み、祭壇に一礼してから読み上げ、読み終えたら霊前と遺族に一礼して席に戻ると説明しています。

落ち着いて見えるふるまい
  • 話す前に、ひと呼吸おいてから一礼する
  • 紙は胸の高さで持ち、顔を少し上げて話す
  • 言葉に詰まったら、黙って紙を見直してから続ける
慌てて見えるふるまい
  • 名前を呼ばれてすぐ、一礼せずに話し始める
  • 紙に顔をうずめるようにして、早口で読む
  • 詰まった時に「すみません」を何度もくり返す

例えば、緊張で手が震えそうな時は、最初にこう添えてもかまいません。

「不慣れなもので、手元の紙を見ながら失礼いたします」

告別式の挨拶でよくある相談

ここでの結論

よく見られるのは「献杯の挨拶の言葉が分からない」「親族代表の挨拶は誰がするのか」「挨拶の中で故人を何と呼ぶか」「『次はお盆に会いましょう』で締めていいか」という相談です。

Yahoo!知恵袋で「告別式 挨拶」に関する質問を見ると、閲覧の多い相談がいくつかありました。内容を要約して、答えをまとめます。

相談1:献杯の挨拶の言葉が分からない

告別式のあとの会食で献杯の挨拶を頼まれたけれど、どんな言葉を言えばいいのか、という相談です。

献杯は、亡くなった人をしのんで杯をささげることです。乾杯とは違い、故人をしのぶ短いひと言のあとに、静かに「献杯」と発声します。

「〇〇さんをしのんで、献杯」くらいの短さで十分です。前置きの言い回しは告別式の献杯の挨拶で詳しく紹介しています。

相談2:親族代表の挨拶は、どの立場の人がする?

義父が亡くなった時、告別式の親族代表の挨拶は、どの立場の人がするのが一般的か、という相談です。

全葬連のQ&Aでは、遺族代表の挨拶は、喪主かその代理の親族がするとされています。誰が務めるかの細かな決まりは示されていないので、喪主の意向を聞いたうえで家族で話し合って決めてかまいません。

相談3:挨拶の中で、故人を何と呼べばいい?

遺族代表として挨拶する時、故人をどう呼べばいいか、という相談です。

参列者に向けて話す時は、自分との続柄で「父」「母」「妻」「夫」「兄」のように呼ぶと落ち着いて聞こえます。名乗りの部分では「故人〇〇の長男」と、名前と続柄を合わせて言うと、誰の話かがすぐに伝わります。

相談4:「次はお盆に会いましょう」で締めてもいい?

親族が集まった告別式の最後に、「次はお盆に会いましょう」と言って締めていいか、という相談です。

全葬連は、「次に」「また」など、くり返しを予想させる言葉を弔事で避ける言葉の例に挙げています。気持ちはとても温かい言葉ですが、挨拶の中では言い方を少し変えるのがおすすめです。

例えば、こんな言い方ができます。

「お盆には、父を囲んで皆さんと過ごせたらうれしいです」

挨拶の場面まで相談できる人がいると安心

告別式の挨拶は、式の進行と一緒に決まるものです。誰がどこで話すのか、会食の時に献杯を誰に頼むのかまで、葬儀社の担当者に相談しておくと当日に慌てません。

ご自分や家族のもしもの時に備えて、夜中や休日でも電話で相談できる葬儀社を知っておくと、こうした段取りも落ち着いて決められますよ。

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よくある質問

告別式の挨拶は、どのくらいの長さがいいですか?

喪主の挨拶は、全葬連のQ&Aで簡単なもので十分とされています。弔辞は3分程度が目安とされます。受付や参列者のひと言は、短いお礼やお悔やみで十分です。

告別式の挨拶文は、手書きでなければいけませんか?

喪主や親族代表の挨拶には決まった書き方がないので、読みやすければ印刷した紙でもかまいません。弔辞は式のあと祭壇に供えられ、喪家に保存されるものなので、全互協は文面を吟味してていねいに書くよう勧めています。

葬儀・告別式の挨拶で、宗教によって変える言葉はありますか?

あります。全互協は、「冥福」「供養」「成仏」などは仏教用語なので、神道やキリスト教では使わないと説明しています。宗教が分からない時は「心よりお悔やみ申し上げます」のような言葉を選ぶと安心です。

通夜と告別式で同じ挨拶をしてもいいですか?

中心になる言葉が少し違います。通夜は弔問へのお礼と通夜振る舞いの案内、告別式は見送りへのお礼と今後のお願いが中心です。同じ人が両方で話す時は、中身を少しずつ変えると自然です。

まとめ

この記事の要点
  • 告別式で挨拶をするのは、喪主・親族代表・弔辞・献杯・受付係・参列者の6つの立場
  • どの挨拶も「名乗り・気持ち・結び」の3段で組み立てる
  • 忌み言葉は単語でなく言い回しごと言い換えると防ぎやすい
  • 通夜・告別式・会食で、挨拶の中心になる言葉は少しずつ違う
  • カンペや紙を見ながら話してもまったく問題ない
  • 「また」「次に」は、挨拶の中では別の言い方にする
告別式ガイド

告別式ガイド 編集部

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